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No.15
 
◆富山新聞より(1月14日掲載)
 
〔記事全文〕

千本椿新名所に

「氷見市・熊無自治会」散策路や休憩子や整備
最大級の原生林で地域おこし

氷見市熊無自治会が一昨年、氷見ツバキ愛好会が熊無で確認した県内最大級のヤブツバキの群生林の整備に乗り出した。約二千本のツバキ林が自然のまま残っていることから、誰でもが見学できるように住民が伐採した雑木を利用して階段や看板、休憩小屋を建設している。市でも田園漁村空間博物館整備事業の中でツバキ群生林を発信する。

群生林は熊無で「清水谷(しょうたえ)」と呼ばれる標高百五十メートル前後の西側の斜面約四百五十平方メートルにわたって広がっている。 幹の根元から株割れした樹齢二百五十年以上のヤブツバキも数本見つかった。

氷見ツバキ愛好会の山本志郎さん(五一)=熊無=が一九九七(平成九年)に発見し、一昨年夏、水上俊正会長=南大町=とともに自然のまま残るツバキ林としては県内最大級であることを確認した。

熊無自治会では群生林を「くまなし千本椿」と名づけ、十二月から住民たちが奉仕作業で看板を立て、伐採した雑木や竹を利用して散策路、階段、休憩小屋を整備している。三月には見学会の実施も計画している。

氷見市は現在、田園漁村空間博物館整備事業で熊無の415号沿いに竹細工など地元の特産品を展示、販売する「お休み処」(仮称)を建設中であり、同施設を通じてもツバキを市内外に広く紹介したい考えである。

上出篤美熊無区長は「千本椿とお休み処は過疎の村の新しい魅力だ。ヤブツバキの里・氷見を代表する貴重な自然遺産として広まれば地域振興につなげたい」と話している。






◆富山新聞より(1月19日掲載)
 
〔記事全文〕

ツバキ自生地を発信

二月十一日から十三日まで、富山市の富山産業展示館で開かれる「花と緑の冬のフェスティバル」に初出展する氷見ツバキ愛好会は十八日までに、同会の展示コーナーのデザインを決めた。氷見の歌を多数残した大伴家持とツバキをテーマに、氷見が全国屈指のヤブツバキの自生地であることを紹介する。

家持テーマにオブジェ制作

来年の花と緑のフェス

氷見の愛好会準備

家持は「奥山の八峯の海石榴(やつおのつばき) 今日は暮らさね ますらおのとも」の歌を万葉集に残している。氷見ツバキ愛好会長の水上俊正さん(七六)は独自の調査で「この歌は家持が高岡の二上山から、氷見の山のツバキを眺めて作った」と推測し、八本の竹と花を咲かせたツバキを使って、歌をイメージしたオブジェを制作することにした。
愛好会の展示面積は二十四平方メートルでオブジェの周囲には、家持の歌を書にした掛け軸を掲げ、ツバキの鉢植えや花壇で飾る。ツバキを描いた和傘も準備している。期間中、ツバキが開花するようにビニールハウスで調整している。当日は氷見市内のヤブツバキの名所案内図を展示して、水上さんが解説を行う。
十八日も同市南大町の自宅で、会員の谷一三さん(六八)と打ち合わせをした水上さんは「家持が、氷見の自然の美しさを詠んだ歌を、多数残したこともPRしたい」と意気込んいる。